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高級メカニカルキーボードと安物メカニカルキーボードの違いはどこにある?

一言にメカニカルキーボードと言っても、数万円する高級品から数千円で買える格安モデルまで幅広く販売されています。高級品と格安品の違いはどこにあるのか、高級品の何が良くて安物では何がダメなのかをまとめました。

更新日: 2023.1.24公開日: 2022.9.8

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高級メカニカルキーボードと安物メカニカルキーボードの主な違い

キースイッチの違い

高級メカニカルキーボードと安物の大きな違いが、メカニカルキースイッチの違いです。メカニカルキーボードの中でも一番お金のかかるパーツがキースイッチだからです。

実売で1万円を超えるようなメカニカルキーボードは、基本的にCherry MX社のキースイッチを使っているか、独自開発のメカニカルキースイッチを採用しています。

Cherry MX社のキースイッチは、タイピング感覚が良いだけでなく、高い耐久性と品質を備えた最高峰のスイッチで、単体でスイッチを購入すると1個100円以上します。つまり108キーなどのフルサイズだと、キースイッチだけで1万円以上もする計算です。

一方で、安物メカニカルキーボードでは、所謂「中華軸」と呼ばれる中国メーカーのキースイッチを採用しています。中華キースイッチも年々品質が上がってきていますが、主に耐久性の面でCherry MXスイッチなどの高級スイッチに劣ります。

中華キースイッチは一般向けでも1個当たり40〜50円程度で購入可能です。つまり、スイッチだけでもCherry MX社のキースイッチの半額程度でメカニカルキーボードを作れることになります。

キーキャップの品質の違い

高級メカニカルキーボードと安物ではキーキャップの品質にも違いがあります。キーキャップの主な違いは、「キーキャップの材質」と「刻印のプリント方法」です。

高級メカニカルキーボードは、指が触れるキーキャップのタッチ感にも拘っていて、さらに汚れが付きづらい素材を採用します。安物メカニカルキーボードのキーキャップは、2,000円程度の格安キーボードと同じようなキーキャップのことがほとんどです。

刻印の違いは「刻印が薄れてしまうのを防ぐことが出来るか」「バックライトで照らした時に刻印がくっきり見えるか」という違いを生みます。

接続方法の違い

メカニカルキーボードにおいては、接続方法の違いは意外と価格に大きく影響します。特にBluetoothや無線式で接続が出来るメカニカルキーボードは価格が高くなります。

無線接続の場合、キーボードに電力が供給できないためバッテリーを内蔵する必要があります。また、無線接続をするためのチップも必要ですし、バッテリーの充電を管理するチップも必要です。

言葉にすると「無線接続」という一言ですが、キーボード内部的には様々なパーツを搭載しており、そのため価格も高くなるのです。

付属品の違い

2万円を超えるような超高級メカニカルキーボードとなると、付属品にも違いが出てきます。

モデルによっては、キーボードを持ち運ぶ時のケースや、清掃をするためのクリーニングクロス、そのメカニカルキーボードに合わせてデザインされた高品質なアームレストなどが付属します。

「付属品はいらないから安くして欲しい」と思ってしまうところでもありますが、高級品だからこそ、しっかりと手入れをして大事に使って欲しいというメーカー側の想いもあるのでしょう。

高級メカニカルキーボードは「実は高くない」?

ここまで見てきた通り、高級メカニカルキーボードの値段が高いのには理由があることがわかりました。

高級メカニカルキーボードを買う際は「本当にこの値段を出すだけの価値があるのか?」と悩んでしまいますが、Cherry MXスイッチなどの高級スイッチを搭載したキーボードは、「耐久年数を考えると実はコスパは良い」キーボードです。

例えば、3万円のメカニカルキーボードを10年使うことが出来たら、1年あたり3,000円です。キーボードを毎年買い換えることはないですが、3年に一度買い換えるとしても1回あたり1万円です。

1万円のキーボードというとキーボードとしてはそこそこ高い部類ですが、「もっと良いのが欲しい」と1万円前後の中途半端なキーボードを頻繁に買い替えていると、数回で3万円クラスの高級キーボードが買えてしまう計算になります。

高級メカニカルキーボードは耐久性が高いことがメリットの一つですから、実は「安物を分けて買うか」「高級品を一回で買うか」の違いくらいしかないとも言えます。

安物メカニカルキーボードは「お試し」に最適

とはいえ、初めてのキーボード交換やゲーミングキーボードを試してみたい場合など、いきなり数万円のキーボードに手を出すのは勇気が入ります。特にメカニカルキーボードは軸の種類などで癖も違うため、どのキーボードが自分に合うかを探すのに意外と時間(と買い替えコスト)がかかります。

そういう方にとって、安物メカニカルキーボードは最適な存在です。

安物メカニカルキーボードであれば、安物は3,000円程度、ある程度の品質のものでも5,000円程度で購入出来ます。

まずはそうした安物でメカニカルキーボードとスイッチ軸を体験してみて、自分に合うかどうか、どのスイッチ軸が良いのかを見極めてから、高級メカニカルキーボードを買うのは良い方法です。