キーボードの磁気センサースイッチ方式とは?仕組みとメリット・デメリット
新しいキーボードのキースイッチとして注目されつつある磁気センサースイッチ方式。その仕組みと、磁気センサースイッチ方式キーボードを選ぶメリット・デメリットを解説します。
更新日: 2024.10.9公開日: 2024.9.27
キーボードの磁気センサースイッチ方式とは?
磁気センサースイッチ方式は、キーの動作を検知するためにホール効果センサーを利用したスイッチ技術です。
メカニカルキーボードやメンブレンキーボードでは、キーを押すと物理的な接触で信号が送られる仕組みですが、磁気センサースイッチでは非接触でキーの入力が検出されます。キーボードの非接触スイッチでは、オプティカル・スイッチ(光学スイッチ)があります。
磁気センサースイッチの仕組み
磁気センサースイッチは磁場の変化を電圧として検出する「ホール効果」を利用します。磁気センサースイッチには、この原理を利用した「ホールセンサー」を搭載しており、磁石の位置や動きを感知し入力を感知します。
具体的には、キーボードのキーキャップの下には小さな磁石が配置され、キーを押すとその磁石がホールセンサーに近づき、磁場の変化を検知して入力が認識されます。磁場の変化をセンサーが感知するだけなので、スイッチの摩耗や故障の原因となる物理的な接触は必要ないというわけです。
磁気センサースイッチ方式キーボードを選ぶメリット・デメリット
メリット
磁気センサースイッチ方式キーボードを選ぶ最大のメリットは「耐久性」でしょう。メカニカルスイッチやメンブレン式と違って、機械的接触がないため、キーの寿命が非常に長くなります。特に、同じキーを連打することが多いゲーミングシーンでは、耐久性の高さは非常に重量です。
また、高速な入力反応とアクチュエーションポイントが調整可能という点も大きなメリット。磁気センサーで入力を感知するだけなので、「ここで入力」という値をユーザー自身が設定できます。キーの押し込み具合を細かな調整や、連打の際の入力速度などを細かく調整可能。例えば、設定次第では0.1mm程度の沈み込みもキー入力とすることができるため、「キーを打ち込む」ではなく「キーを撫でる」くらいでタイピングが可能になります。
静音性という意味でもメリットが。キーボードのタイピング音は物理的なスイッチが発する部分が大きいですが、磁気センサースイッチ方式は物理的接触がないため静音性に優れているというメリットもあります。
デメリット
磁気センサースイッチ方式キーボードの最大のメリットは価格と選択肢の狭さ。
「物理的なスイッチのオン・オフ」で動作する従来のキーボードと違って、センサーを使った高度な技術使っているスイッチのため、一般的なキーボードよりも製品価格が高価(3万円以上がメイン)になります。
今後、磁気センサースイッチ方式がメジャーになればスイッチの価格が下がってキーボード本体価格も下がるかもしれませんが、磁気センサースイッチ方式を採用したキーボードはまだ少数派で、特定のハイエンドキーボードやゲーミングキーボードに限られているのが現状です。
その意味では、まだニッチなキーボードといえますが、ここはメリットの部分にどれだけの価値を感じるかが、選ぶ際のポイントとなるでしょう。