キーボードにリストレストを使うメリットと自分に合う選び方
メカニカルキーボードを中心に標準で付属されることも多くなったリストレスト。リストレストとは何のためにあるのか、使うメリットについてまとめました。
更新日: 2023.5.9公開日: 2022.9.15
キーボードのリストレストって何?
キーボード用の腕置きのことを、リストレストと呼びます。リスト(手首)をレスト(休ませる)と言う意味で、製品によってはアーム(腕)レスト、パーム(手のひら)レストと呼ぶこともありますが、基本的にどのアイテムも同じ種類のものです。
リストレストの役割は、キーボードをタイピングする際に、手首を支えるクッションになることです。
タイピングの際は、手首がデスクやノートPCの筐体の上に乗せてタイピングをするか、浮かせてタイピングをすることになりますが、どちらも手首に負担がかかり、人によっては腱鞘炎や肩こりなどの痛みにつながる場合があります。
そうした手首の負担を軽減させるのがリストレストの役割で、手首をリストレストに乗せてタイピングをすることで、自然なフォームでタイピングが出来るだけでなく、手首の痛みや指の痛みなども軽減することが出来ます。
キーボードのリストレストを使うメリット
人間工学的にもリストレストは必須アイテム
ここ数年、キーボードのジャンルで注目されているのが「人間工学的」というキーワード。人間の身体の構造に合わせて、自然に身体にフィットするよう設計することで、より快適なタイピングが可能になります。
人間工学的な観点でリストレストのメリットを考えると、以下のメリットがあります。
- 手首を正しい位置に置くことが出来る
- 手首や腕の緊張を軽減する
- 血液循環の促進
- カープトンネル症候群の予防
どれも疲れや痛みを軽減につながります。
特に、メカニカルキーボードの場合は、構造上キーボード自体に高さがあることが多く、リストレストなしでタイピングをすると、手首が下がって指を上に向けてタイピングする姿勢になります。
そうなると、手首は無理に捻った状態になりますし、その状態で指をたくさん動かすと、腱に余計な負担がかかって、腱鞘炎に繋がってしまいます。
リストレストを使うことで、手首の高さを強制的にメカニカルキーボードのベースプレートより少し上の高さまで持っていくことができ、手首を伸ばしたスタイルでタイピングをすることが出来ます。
生産性向上とタイピングスピードアップが出来る
キーボードを使う上で重要なのは、タイピングスピード。タイピングスピードが速いほど、生産性向上にもつながります。
リストレストを使うことで、手首を正しい位置に置き、身体への負荷が軽減できるため、タイピングスピードのアップや、長時間、安定したタイピングが出来る様になります。
使い始めの頃は、あまり効果を感じないこともありますが、長時間、長期間使っていると、手首や方の疲れが少なくなっていることに気がつきます。
キーボードのリストレストの種類
キーボードのリストレストは、主に、
- 素材
- 形状
の二つで種類が分けられます。
リストレストの素材
リストレストは素材によって「当たり心地」が大きく異なります。当たり心地は、大きく分けてソフトタイプ、ハードタイプの二つがあります。
ハードタイプはカチッとしたフィット感が特徴で、手首をしっかり固定できるメリットがあります。タイピング時に手首をしっかり固定したいユーザーに人気です。素材としては、木製や金属製のリストレストがハードタイプになり、汗や皮脂がついても簡単に清掃ができるというメリットもあります。
一方で、市販されているリストレストのほとんどはソフトタイプと呼ばれる、手首の形に合わせて形状が変化するタイプです。素材としては、ウレタンフォームやゲルなどの弾力性のある素材が選ばれます。使うユーザーの手首の形や姿勢に合わせてフィットしてくれるため、誰でも使いやすく当たり心地もソフトになります。
ソフトタイプは汚れに弱いのがデメリットで、洗って綺麗にするというよりかは使い捨てのイメージです。
リストレストの形状
素材と同じくらい重要になるのがリストレストの形状です。
リストレストの形状は、
- ロングタイプ(キーボード全体をカバー)
- ショートタイプ(手首のみをカバー)
- エルゴノミクスタイプ
の3つがメジャーです。
ロングタイプは、ユーザーの手首の位置に合わせるというよりかは、キーボードの下部分全体をカバーすることで、ユーザーの手首がどこにあったとしても、カバーが出来るという点がメリットです、
ショートタイプは、ユーザーの手首のみをカバーするので、タイピング時の微妙な位置移動に対応できません。たた、正しいフォームを身につけると、タイピング時に手首が移動することはほとんどないため、ショートタイプのが劣っているということはありません。
最後のエルゴノミクスタイプは、メーカーごとに考える人間工学的な観点で最適とされる形状で、一般的には体に合わせてカーブする形状になっています。
キーボード用リストレストの選び方
ここまで解説したキーボード用リストレストの特徴をもとに、実際に購入する際に注目するべきポイントを見ていきましょう。
まずは素材を選ぼう
リストレストを使う上で、一番重量になるのが素材です。なぜなら、木製などのハードタイプなのか、ゲルなどのソフトタイプなのかで使い心地が全く異なるからです。
リストレストを初めて使う方はソフトタイプがおすすめ。タイピング時にカチッとしたいというユーザーはハードタイプがおすすめですが、手首の痛みを軽減したいのであれば、手首の形に合わせてくれるゲルタイプが良いでしょう。
実際に使うキーボードに合わせてサイズを決めよう
次に重要になるのが、リストレストの幅と高さです。
リストレストの幅は、ロングタイプならキーボードの幅をカバーしているのか、ショートタイプなら自分の手首をカバーしているのかをチェックしましょう。
意外と見落としがちなのがリストレストの高さ。選び方としては「キーボードのキーキャップの底と同じくらいの高さ」の製品を選ぶのがポイントで、低いと手首が下がってしまい、高いと肩が上がってしまいます。
最後にロングタイプかショートタイプかを選ぼう
素材とサイズを決めたら、最後に決めるのがロングタイプかショートタイプかです。
ここは好みによるので好きな方で良いですが、見た目もスッキリすることからメカニカルキーボードではロングタイプの方が選ばれます。
ただ、ショートタイプにすると手首の位置に合わせて微調整が出来るため、初めてのリストレストであればショートタイプがおすすめです。
タイピングがしづらい、指や腕が痛くなるユーザーはリストレストを試してみよう
長時間タイピングをする仕事やゲームなどをしている人の中には、タイピングのし過ぎで指や手首、腕などが痛くなってしまう方もいるでしょう。
そうした方は、タイピングのし過ぎだけでなく、タイピング時の姿勢に問題がある場合もあるので、リストレストを使うことで軽減できることがあります。
何を隠そう、仕事やプログラミングで毎日数万文字タイピングする筆者自身も深刻な腱鞘炎持ちで、かつてはほぼ毎日サロンパスを貼らないと寝れないくらいでした。しかし、リストレストを使うことでかなり軽減され、たまにサロンパスを貼って痛みを取ってやるくらいまで軽減しています。(完治はしていません)
タイピングで腱鞘炎が発生する原因は、リストレストだけでなく、タイピングフォームやタイピング時のクセ、デスクの高さ、椅子の高さなども原因としてありますが、手頃な対策としてリストレストを試してみる価値はあると思います。